済州のフルアーチインプラント(All-on-X)—費用負担を考慮し、上下を分けて治療した症例
全体を一度に治療することが難しかった患者様が、2023年に下顎のフルアーチ治療を始め、2025年に上顎まで段階的に回復した診療記録です。
診療の概要
- 2023年の状態
- 上下顎ともに多数の歯を失い、下顎に残った歯も長期維持が難しい状態でした。
- 最初の治療方針
- 全体を一度に治療することが難しく、下顎のフルアーチ治療から始め、上顎は総入れ歯で回復しました。
- 再来院のきっかけ
- 2025年、上顎の総入れ歯が動くことや使いづらさのために再来院されました。
- 最終治療
- 2年後に上顎の治療を続け、上下顎ともフルアーチ治療で回復しました。
2023年、入れ歯の相談で来院されました
患者様は多くの歯を失い、食事と日常生活に不便を感じておられ、2023年に入れ歯の相談で初めて来院されました。
初診時のパノラマでは、上顎に使える歯はほとんど残っていませんでした。下顎にも一部の歯は残っていましたが、歯周支持と補綴物の状態から、部分的な治療を繰り返すより全体の方針を決める必要がありました。

負担を分け、下顎のフルアーチ治療から始めました
上下顎とも固定式フルアーチ治療で回復する方法もご説明しましたが、当時は全体を一度に進めることに経済的な負担がありました。
患者様と相談し、治療の優先順位を決めました。噛む力を安定して支えるため、下顎をフルアーチインプラント(All-on-X)の固定式補綴物で先に回復し、上顎には総入れ歯を製作することにしました。
一度にすべての治療を終えられなくても、状態と優先順位を評価して分けて進めることができます。将来の上顎治療も考慮して、下顎補綴物の位置と噛み合わせを計画しました。


2025年、上顎の入れ歯が不便で再来院されました
上顎の総入れ歯を使ううちに動きと不便が増し、2025年に上顎も固定式補綴物で治療するため再来院されました。
総入れ歯は歯ぐきと口蓋から保持力を得るため、顎の骨の形や義歯の適合が変わると、噛むときに動いたり圧迫感が出たりすることがあります。調整や作り直しも可能ですが、患者様は自分で取り外す義歯より固定される歯を希望されました。
既存の下顎補綴物を基準に上顎の治療を続けました
上顎フルアーチ治療を計画する際、埋入位置だけを単独で決めませんでした。使用中の下顎補綴物の歯列、咬合平面、補綴スペースも分析しました。
上顎のインプラントが広い範囲で力を分担できるよう分散配置し、上下の補綴物が片側に偏らず噛み合うよう全体を計画しました。
段階的な治療でも、最終的には上下顎を一つの咬合構造として評価することが大切です。
上下顎ともフルアーチ治療で回復しました
2025年には上顎にもインプラントを分散配置し、連結した固定式補綴物を装着しました。最初にすべての治療を一度にできなくても、計画を続けて上下顎全体を回復できました。
最終口腔内写真で、上下顎の補綴物の配列、正中線、噛み合わせを確認しました。

最終パノラマで、上下顎に分散したインプラントと連結した補綴物の状態を確認しました。

段階的な治療後も上下顎を合わせて管理します
上下顎フルアーチ補綴物は、患者様が毎日取り外して洗う義歯ではありません。補綴物の下とインプラント周囲を歯間ブラシや口腔洗浄器などで清掃する必要があります。
定期検診では、インプラント周囲の歯ぐきだけでなく、ネジの緩み、補綴物の摩耗、上下の噛み合わせの変化も確認します。
フルアーチ治療は補綴物の装着日に終わるのではなく、その後の清掃と噛み合わせの点検まで続きます。
当院での診療について
一度に進める負担が大きい場合、可能な治療から始めて続けることができます。
口腔内の状態に加え、経済的な負担と希望する治療を考慮し、下顎から先に回復しました。全体をすぐに一度で治療することが難しいからといって、すべての可能性を諦める必要はありません。
上顎の義歯の不便から治療を続ける際には、既存の下顎補綴物を基準に上顎のインプラントと最終補綴物を再設計しました。段階的に進める場合も、最後に上下顎全体の噛み合わせと管理のしやすさを確認する必要があります。
※ 患者様の同意を得て、個人情報が明らかにならないように作成した実際の診療記録です。
※ 同じ症状でも、全身状態、残存骨、噛み合わせ、治療時期によって治療方法・期間・結果は異なります。
※ この診療記録は一般的な医療情報の提供を目的とし、個別の診断や治療に代わるものではありません。
