フルアーチ・入れ歯
70代・80代の家族、入れ歯とフルアーチをどう比べますか?
歯が少ないご家族の治療は、年齢と歯数だけでは選べません。現在の食事の不自由、残せる歯、全身状態と、ご本人・ご家族が続けられる管理を確認します。

まず食事と生活の変化を聞きます
硬い物を避ける、食事に時間がかかる、入れ歯を使わない、歯ぐきが痛むなど、具体的な状況を聞きます。「大丈夫」という言葉だけで負担を見落とさないようにします。
入れ歯の動き、噛み合わせ、口の乾き、歯や歯ぐきの病気を区別します。
残る歯を先に評価します
残せる歯は虫歯、亀裂、歯周支持、修復と清掃の見通しで判断します。少ないという理由だけですべて抜歯する計画にはしません。
残す歯の役割と、保存が難しい歯の理由を説明します。
支え方と管理を比べます
一般の総入れ歯は歯ぐきで支え、外して洗います。吸着を考えた入れ歯も骨に固定されるものではなく、粘膜、唾液、筋肉の条件で使い心地が変わります。
フルアーチはインプラントが連結した補綴物を支え、動きを減らせる一方、手術と費用、口の中で下部を清掃する負担があります。両者の利点と限界を比較します。
70代・80代でも検討できますか?
全身疾患の状態と服薬、骨、炎症、噛み合わせ、回復力を確認します。年齢だけで入れ歯に決めたり、インプラントを除外したりしません。
手術の負担と期待できる機能、ご自身で清掃する力と支援の有無を合わせて考えます。
ご家族ができる支援
薬や病歴の整理、説明の記録、通院と食事、清掃の支援が役立ちます。すべてをご家族だけで決めず、ご本人が困っている点と希望を聞いてください。
治療後の検診と、清掃が難しくなった場合の対応まで話し合います。

初回の準備
使っている入れ歯、服薬資料、手元の歯科記録を持参し、食べにくい物や痛む場所をメモします。資料や治療時期が不明でも相談できます。
治療の選択肢、仮歯、期間と回数、費用の範囲、修理と定期管理を確認しましょう。
参考文献・参考資料
- Schimmel M, et al. Effect of advanced age and/or systemic medical conditions on dental implant survival: A systematic review and meta-analysis. Clin Oral Implants Res. 2018;29 Suppl 16:311–330.
- Stanford CM. Dental implants. A role in geriatric dentistry? J Am Dent Assoc. 2007;138 Suppl:34S–40S.
- Ruggiero SL, et al. American Association of Oral and Maxillofacial Surgeons' Position Paper on Medication-Related Osteonecrosis of the Jaws—2022 Update. J Oral Maxillofac Surg. 2022;80(5):920–943.
この記事は一般的な歯科情報を提供するものです。個人の診断と治療計画は、口腔内の診察と全身状態の確認後に決定します。