診療の概要
- 確認した状態
- 小臼歯の両側の隣接面にむし歯があり、咬合面まで合わせて修復する必要がありました。
- 治療方針
- 生活歯髄療法とレジンビルドアップにより、歯髄と健全な残存歯質を保存する方針で治療しました。
- 実施した治療
- ラバーダムで隔離し、生活歯髄療法、繊維補強、レジンビルドアップを行いました。
- 治療後の確認
- 両側の隣接面から咬合面までレジンで回復した状態を記録しました。
むし歯が目立たないのに、なぜ治療したのでしょうか?

最初の写真では大きな穴は目立ちません。しかし、この歯のむし歯は 隣の歯と接する部分にありました。上から撮影した写真だけでは内部を確認しにくい位置です。

X線では歯の側面から内部へ続く暗い部分が見えます。むし歯で損傷した部分で、この症例で治療が必要だった部位です。

治療中には、初診時の写真では隠れていた両側の隣接面の損傷を確認できました。咬合面だけでなく、両側の隣の歯と接する部分も回復する必要がありました。
追加の切削を抑え、健全な歯を保存しました
クラウンを装着するには、補綴物が入る分だけ歯をさらに削る必要があります。今回は 残った歯をできる限り活かすため、 生活歯髄療法の後にレジンビルドアップを選びました。

生活歯髄療法(VPT)は、一般に「神経」と呼ばれる歯の内部の生きた組織を保存する治療です。組織の状態に応じて必要な処置と保護を行い、その上を封鎖して歯の形を回復します。[1]
広い修復部を繊維で補強しました

写真の白い帯は、レジンを補強するために入れた 繊維です。今回のように両側の隣接面と咬合面を修復する場合、レジン内の繊維は力の分散と亀裂の進行の抑制に役立つことがあります。[2]
青い膜は、唾液を遮断して治療部位を隔離するラバーダムです。接着に必要な環境を整え、繊維で補強し、レジンを積み重ねて形を作りました。
レジンビルドアップで治療を終えました

両側の隣接面から咬合面までレジンで回復しました。天然歯の構造と力の受け方を考慮し、残った歯を保存する方法を バイオミメティック修復といいます。[3]
むし歯が大きくても、必ずクラウンが必要とは限りません。残った歯の量と状態によっては、できる限り歯を保存してレジンビルドアップで治療できます。
参考資料
- 米国歯内療法学会 · 生活歯髄療法のポジションステートメント
- 小臼歯のMOD修復における繊維の配置と破折抵抗の研究 · 2022年抜去歯を用いた実験室研究であり、修復物の長期生存率を直接証明した結果ではありません。
- Academy of Biomimetic Dentistry · バイオミメティックなアプローチ
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ブログ · 材料の説明
※ 歯の状態によってクラウンや根管治療が必要になる場合があります。繊維補強で破折を完全に防げるわけではなく、治療後も経過確認が必要です。
※ この診療記録は一般的な医療情報の提供を目的とし、個別の診断や治療に代わるものではありません。
